完成披露上映会!

2014年5月18日・与那国島上映で、全国キャラバン上映は無事終了。自主上映のご案内は、こちら

2013年7月11日木曜日

作品紹介

近現代を生き抜くという共通した「意志」の記録(趙博)

この長く美しいドキュメンタリー映画を観終わり、しばらく席が立てなかった。(テッサ モーリス=スズキ)

過去に光が届き、現在が白日の下に露わになり、さらに未来への曙光が垣間見えてくる(姜尚中) 


1997年夏、北海道幌加内町朱鞠内。日本・韓国・在日コリアンの若者たちが、戦時中の雨竜ダム建設、名雨線鉄道工事で命を落とした強制連行、強制労働の犠牲者たちの遺骨を発掘しようと集まった。東アジア共同ワークショップの始まりである。
以来今日まで、朱鞠内、猿払村浅茅野、芦別の発掘や韓国での体験者や遺族の調査、遺骨の返還と、若者たちの出会いは国境を越えて広がっていった。
日本と韓国、在日韓国・朝鮮人の若者たちが、共通する歴史と向き合いながら、どのような未来を創ろうとしてきたのか、時代をどう生きようとしてきたのか。

監督 影山あさ子・藤本幸久 企画・制作・著作 森の映画社 
全5章/9時間9分 


第一章 朱鞠内 114分)

©東アジア共同ワークショップ


1997年、北海道幌加内町朱鞠内。戦時下に行われたダム工事と鉄道工事の犠牲者の遺骨を発掘しようと日本と韓国、在日コリアンの若者たちが集まり、4体の遺骨が発掘された。初めての出会いと共同作業。すぐに仲良くなれるかに思われた若者たちだったが、日本人と韓国人の間に衝突が起こる。

第二章 浅茅野 (98分)

©東アジア共同ワークショップ

北海道猿払村浅茅野。2006年から2010年まで、3度にわたる旧日本陸軍飛行場建設工事犠牲者の遺骨発掘が行われた。考古学の専門家たちの参加を得て、丁寧に進められる発掘。39名の遺骨が発掘された。小さな穴に折りたたむように押し込められた遺骨の姿から、強制労働の実態が浮かび上がる。


第三章 遺族(109分)
©森の映画社



遺骨を遺族に返したい。手がかりを求め、遺族や強制労働の体験者たちを訪ねる若者たちの旅が続く。戦後60年以上が過ぎても、消えない犠牲者遺族の悲しみ。帰る場所を見つけられない数々の遺骨。長い道のりを経て、4体の遺骨が韓国人遺族へ返還されることになった。被害者と加害者の和解は、はたして可能なのか。


第四章 未来へ (121分)


©東アジア共同ワークショップ
97年以来、毎年、夏と冬のワークショップが続いてきた。若者たちは、国境を超えて生きる場所を見出してゆく。2003年に始まるイラク戦争、拉致問題から再び強まる日本の排外主義。ともに平和な未来を生きてゆきたいという若者たちの願いは・・・・。


第五章 私たち (107分)

©森の映画社
2012年夏。炭鉱で働かされ、人知れず闇埋葬された犠牲者を発掘するため、北海道芦別市に遺骨発掘に集まった若者たち。かつての若者たちも父となり、母となった。今日も笹の墓標の下に眠り続ける遺骨の数々。そして、家族のもとに帰ることができない遺骨。若者たちの旅は、まだ、終わらない・・・




2013年7月4日木曜日

ハングル字幕版、英語字幕版製作中

募金の受付は締め切りました。
ハングル字幕版は完成、英語字幕版も間もなく完成です。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

日本語・ハングル字幕版、日本語・英語字幕版、間もなく完成です。
2014年はじめ頃に、普及版、リリース予定です。

ドキュメンタリー映画「笹の墓標」
ハングル字幕版、英語字幕版製作募金にご協力ください


日本、韓国、在日コリアンの若者たちの15年の歩みを描く、映画「笹の墓標」。1997年に北海道幌加内町朱鞠内で、強制連行・強制労働の犠牲者遺骨発掘から始まった「東アジア共同ワークショップ」をきっかけに出会った若者たちが、共通する歴史の事実に向き合いながら、ともに未来をつくろうと試みてきた15年の記録です。

現在、この映画のハングル字幕版と英語字幕版の製作をすすめています。
ハングル字幕が出来ると、韓国・朝鮮でも観られる、また、日本人と韓国・朝鮮人が一緒にこの映画を観られるようになります。
5月末に一度、簡易な字幕で、韓国の大学で上映をしたところ、「ぜひ、韓国の国会議員にみせたい」という提案もあり、韓国各地での上映を具体的にすすめて行きたいと考えています。

また、完成試写会に参加したオーストラリアの留学生が、ぜひ、オーストラリアの大学で上映したいと英語版字幕を作る作業をすすめてくれています。英語版が出来れば、英語を話す人たちと日本人が、一緒にこの映画を観ることができるようになります。“和解”の問題が大きいドイツでも「上映したい」という声があがっています。

ハングル、英語の字幕を付けて、この作品を世界に広めてゆくために、下記の通り、ぜひ、みなさまのご協力をお願いいたします。

 2013年7月28日

「笹の墓標」監督
影山あさ子 藤本幸久


◎振込先 郵便払い込み口座 02710-6-97826「影山あさ子事務所」◎
●1万円以上の募金で、韓国語版、英語版のエンドロールにお名前が入ります。
●日本語/ハングル字幕版か、日本語/英語字幕版、ご希望のDVD1セット(個人視聴用)進呈。

払い込み用紙に、「字幕」と書いて、お名前、ご連絡先、
希望するDVDの種類(英語・ハングル)を明記の上、お振込下さい。

締め切り:9月30日

報道・記事など

★2013年10月29日 朝日新聞(大阪・夕刊)★
大きく写真入りで夕刊・社会面。出演者のインタビューも有。


★2013年10月25日 毎日新聞(大阪・夕刊)★
シネマアングル:強制連行の犠牲者、北海道の遺骨発掘を追う「笹の墓標」 国超え心合わせた15年
http://mainichi.jp/area/news/20131025ddf012200018000c.html




★2013年10月17日 朝日新聞三重県版★
「遺骨を巡る日韓若者の15年 歴史見つめ未来探る姿描く」

★社会新報 2013年10月2日★
「4体の遺骨が遺族の手に渡るシーンは圧巻」


「遺骨発掘で、過去を未来につなぐ若者たち」(文 室田元美さん)
・・・すっかり引き込まれ、息もつかずに観てしまった。ともに怒り、ぼろぼろ泣き、笑い・・・そして底知れぬ力が湧いてくる





★朝日新聞2013年7月25日 朝刊・道内★
記事を書いてくれた秋野さんは、15年前のWSも、2012年の芦別のWSも取材してくれました。
(懐かしい友人からの電話も有。嬉しい~!)
                    早速、いろいろお問い合わせも頂き、ありがとうございます。


★2013年7月19日 北海道新聞★
”日韓関係が冷え込んでいる今こそ、観てもらう意味がある”
出ました!丁寧に書いて下さって、ありがとうございます。

解説1 殿平善彦 ”朱鞠内との出会い”

殿平 善彦(一乗寺住職)

朱鞠内との出会い

私が北海道北部の山中にある朱鞠内を訪れてから40年になろうとしている。長い付き合いになった。
1976年9月初旬、友人の自家用車に便乗して出かけ、さわやかな秋晴れの朱鞠内湖で、ボート遊びを終えて湖畔の食堂で昼食を済ませとき、初老の女性に声をかけられた。「近くのお寺に寄ってほしい。見せたいものがある」と。1934年に建立された古いお寺、光顕寺の本堂にあったのは、100近くの赤茶けた古い位牌の群れだった。死者の名前は、日本人と朝鮮人があった。年齢は10代から50代、全員男性だった。死亡した時期が1938年から1945年まで。日本が戦争していた時期に重なった。
1938年から43年まで、朱鞠内では雨竜ダム・名雨線鉄道工事が行われ、200人以上の労働者が犠牲になった。朱鞠内湖は雨竜ダムの堰堤にせき止められてできた人造湖なのだ。私たちの前に現れた位牌は、戦争中の朝鮮半島から強制的に連行されてきた朝鮮人と日本人タコ部屋労働者の奪われた命の痕跡だった。
雨竜ダム工事の記憶を語る人は、重労働と僅かな食事、逃亡と見せしめのリンチが横行し、死者は共同墓地の奥の地下に埋められていったと証言した。案内された山中の埋葬現場は熊笹に覆われていた。
1980年から、笹やぶの下に埋められてきた犠牲者の遺骨発掘がはじまった。84年まで、5回の発掘で、16体の遺骨が発見されたが、力尽きた私たちは、すべてを掘りきれないまま、発掘はしばらく見送られた。

東アジア共同ワークショップ

発掘が中断してから5年後の1989年、若い韓国人が訪ねてきた。当時アメリカの大学院生だった、文化人類学を専攻する鄭炳浩(チョン・ビョンホ)さん。彼との出会いが、朱鞠内をめぐるドラマの新しい幕開けになった。
韓国で民主化運動をたたかった彼は、強制連行の歴史にも関心を示した。朱鞠内の笹やぶの下に、発掘出来ずに残っている日本人と朝鮮人の犠牲者の遺骨があるはずだと告げると、彼は「日本と韓国、在日の青年・学生たちの共同作業で発掘しましょう」と提案した。
約束から8年後、1997年夏、韓国から44人、在日韓国朝鮮人12人、アイヌ、日本人40人、スタッフを入れると200人を越える参加者で、強制労働犠牲者を発掘する「日韓共同ワークショップ」が開催された。9日間の合宿で4体の遺骨を発掘し、葛藤を経験しながら離れがたい友情を育んだ。それから15年間、夏は日本か韓国で、冬は朱鞠内で、若者たちは集い続けてきた。

未来へ

2001年からは朝鮮大学生が参加して、名称は「東アジア共同ワークショップ」となり、延べ2000人を越える若者たちがワークショップを経験した。
最初のころの青年は中年になり、大人の参加者は老人になった。恋愛し結婚したカップルには赤ちゃんができ、懐かしい人が何人も亡くなった。そして、新たな参加者が生まれ、多くの活動家が育った。
東アジアは今、領土ナショナリズムに席巻され、日本国内では在日韓国・朝鮮人へのヘイトクライムが横行している。北朝鮮をめぐっては、アメリカのプレゼンスと共に、新たな冷戦の様相さえ呈している。植民地支配と分断の歴史に彩られた東アジアは、大きな分岐点に差し掛かっている。
偏狭なナショナリズムとレイシズム、分断固定化の時代に組み敷かれるのか、平和の共同体を目指す希望の歩みを続けられるのか。
東アジア共同ワークショップは、アジアの危機を越えるアジアの市民の確かな信頼と友情を育てる場だ。ワークショップに集う若者たちのイニシアチブこそが、新たな時代を開いてゆくに違いない。

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殿平善彦(とのひら・よしひこ)
1945年生まれ 
北海道深川市の浄土真宗本願寺派一乗寺の住職
空知民衆史講座代表 強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム共同代表
70年代から北海道幌加内町朱鞠内、深川市鷹泊などの戦時下タコ部屋労働、朝鮮人強制連行の調査・研究、発掘と遺骨返還に取り組む。

解説2 趙 博 ”近現代を生き抜くという「意思」の記録”

趙 博(浪花の歌う巨人・パギやん)


 チョン・ビョンホ(現・漢陽大教授)と初めて出会ったのは1986年、京都でした。
 当時彼はアメリカ留学を終えて来日し、神戸にある甲南大学イリノイセンターの所長の職にありました。ある時、二風谷の故・萱野茂さんや札幌の小川隆吉・早苗さん家族に僕が常々お世話になっていることを話すと「留学生たちを北海道へ連れていってalternative Japan(もう一つの日本)を体験してもらおう」と即断、20人ほどのアメリカ人学生を連れて札幌、対雁、白老、二風谷を訪問し「アイヌ民族の歴史・文化・現状」を学習しました。その後も、彼の知性とセンスの良さ、何よりもその行動力に何度も驚かされたものです。
ビョンホは、韓国に帰ってからも北海道に通い続けて、僕も何度か同行しましたが、ある日「強制連行された朝鮮人労働者の遺骨発掘を日韓の学生の共同ワークショップとして行うから参加してほしい」と連絡をもらいました。これが、僕の『笹の墓標』の原点です。

 第一回目のワークショップから15年、その記録がカメラに収められていたことを最近知りました。そして、そのドキュメンタリーが9時間にも及ぶ大作になったと聞かされたとき「何故そんなに長く…」と、正直いって訝しく思いましたが、それは僕の思いが至らなかっただけで、この作品の趣旨を誤解していた浅はかな無思慮から出た錆に過ぎません。ダム工事と強制連行の歴史的経緯、そして遺骨の発掘とそれに携わった人々の記録とばかり先入観を膨らませていた僕は、9時間に及ぶドラマの展開に圧倒されました。『笹の墓標』は、国と地域、国籍と民族、そして時代を異にしながら、近現代を生き抜くという共通した「意志」の記録なのです。生者が死者と出会い、その慚愧と慟哭を共有することで、残酷な歴史を見据え、翻っておおらかな未来に向かおうとする「意志」です。様々な「意志」が、追体験などという言葉と次元を越えて観る者を揺さぶる--スクリーンの彼方と此方、現在・過去・未来を透過する壮大な9時間の旅は、文字通り僕たちの「ワークショップ(共同作業)」です。

 遺骨を掘り、洗い清め、整理し、そして遺族に返す。しかし、誰も幸せを感じることなく、無念に胸が張り裂けそうになるだけ。その苦痛の中から紡ぎ出される「ありがとう」の言葉と気持ちを、我が事として受け止めようとする「生き様」。一方で、そんなものは無意味だ、いや、元々そんな事実は無かったのだと言い放つ時代の「逆流」。藤本・影山両監督は「生き様」という縦糸と「逆流」という横糸の結び目を凝視しているのだと、僕には思えました。3・11以降、この国の「逆流」は強まるばかりで、それに抗う「生き様」が冷笑に付されようとしている…朱鞠内に埋もれていた骨は、再び忘却される運命にあるのでしょうか?
 『笹の墓標』の前に立って、あなたに答えてほしいのです。

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 趙 博(ちょう・ばく


「浪花の歌う巨人・パギやん」の異名をとるシンガーソングライター&歌劇派芸人。コンサートはもちろん、語り芸「歌うキネマ&声体文藝館」シリーズも全国で公演。代表作は『青春の門・筑豊編』『泥の河』『パッチギ!』『キクとイサム』『マルコムX』『風の丘を超えて/西便制』など。音楽劇『百年、風の仲間たち』(演出:金守珍)、二人芝居『ばらっく』(共演:土屋時子)の脚本も手がけている。CD『百年目のヤクソク』『うたの轍』、DVD『コンサート・百年を歌う』、著書『僕は在日関西人』(解放出版社)『夢・葬送』(みずのわ出版)『パギやんの大阪案内』(高文研)など多数。
公式サイト http://fanto.org

作品データ+スタッフ

監督 影山あさ子・藤本幸久
9時間9分/HDV/企画・制作・著作 森の映画社 2013年

プロデューサー 藤本幸久

撮影 小寺卓矢/藤本幸久/影山あさ子/栗原良介
撮影協力 宮崎利春/山崎耕太
映像提供 日韓共同ワークショップ委員会
       東アジア共同ワークショップ委員会
       チョン・ビョンホ(ハニャン大学)
       北海道放送
       谷上嶐
       李紅培
       南北子どもオッケドンム
資料提供 神戸学生青年センター出版部
       竹内康人
編集 栗原良介
音楽 川端潤(Airplane Label)
録音スタジオ Studio Airplane
歌  趙博「ヨイトマケの唄」
題字 殿平善彦
タイトルデザイン ねこまたや
日本語字幕 カン・ホボン/洪里奈/影山あさ子
         ソン・ギチャン/李和美

助成:芸術文化振興費補助金

上映スケジュール

全国上映キャラバン、始まります!
 画像をクリックするとキャラバンの詳細へ

全国上映キャラバンは、「笹の墓標」と「沖縄ニューズリール」を上映して回ります。
以下は、笹の墓標の上映が決まっているところです。
その他、キャラバンの詳細と全スケジュールは、こちらから。

3月30日(日) 埼玉県本庄市
■場所:cafe NINOKURA(本庄市千代田4‐2‐4ニノ蔵)
■「笹の墓標」から第4章 未来へ 上映①10時、②13時、③16時、
■料金:1000円 (小中校生)五百円(幼児無料)
■主催・問い合わせ 明月座 
ご予約は0495‐24‐7878(cafeNINOKURA)[meigetsuza@gmail.com]

4月6日(日) 三重県四日市市
■「笹の墓標」から上映予定

4月12日(土)・13日(日) 静岡県浜松市
■場所:浜松市民協働センター2階 第1研修室
■「笹の墓標」浜松上映会
  12日 14時 第1部朱鞠内、
       16時第2部浅茅野
       19時 第3部遺族
  13日 14時 第4部未来へ 
       16時 第5部私たち
■主催 人権平和・浜松0534224810

4月13日(日) 兵庫県神戸市
■場所:神戸学生青年センター
第一章「朱鞠内」(114分)9:00~/第二章「浅茅野」(98分) 11:00~
第三章「遺族」(109分) 13:00~/第四章「未来へ」(121分)15:00~
第五章「私たち」(107分) 17:10~
■料金:全5回3000円、1回1000円
■問い合わせ:神戸学生青年センター(飛田)
  TEL 078-851-2760 FAX 081-78-821-5878

4月19日(土)・20日(日) 広島県広島市
■「笹の墓標」 全部上映予定


2013年7月3日水曜日

チラシ

チラシはB5・4ページ建てです。
画像をクリックるするとオリジナルの画像ファイルのサイズでご覧いただけます。



チラシ・内側